アラフィフからの統計検定1級チャレンジ

乱筆・乱文にて失礼、俺の屍を越えてゆけ!

統計検定1級®(2022年度)不合格体験記

はじめに

2022年11月20日(日)の統計検定1級(数理統計・医薬生物学)を受験してきました。正直どちらも合格ラインに及ばず、来年を見据えて、記憶が薄れないうちに記録を残したいと思います。

不本意ながら午前・午後ともに不合格でした…

自己紹介

  • 製薬企業で臨床試験の統計担当者。理論的な部分は統計ソフトに頼りがち
  • 数学は高校までは得意だったが、大学では全くついていけず
  • 大学の専攻は、生化学。統計学とは全く縁がなかった

 

動機

  • コロナ禍でリモートワーク主体となり、かつ育児も落ち着いてきて勉強の時間を確保できるようになってきた
  • 業務で、責任者として名前を書く機会が増えてきたものの、特に統計に関する学歴・資格等がなく何かしらCertificationになるようなものがあったほうが望ましいかも…と感じていた
  • 業務で要求される解析手法もベイズや因果推論など広範・複雑になってきており、統計の基礎力の底上げの必要性を感じていた

 

方針

  • (動機と矛盾しますが、業務関連の勉強時間も必要なため)最小の学習時間で合格を目指す
  • お金で時間を買う。コロナ禍で貯まったお小遣いを原資として参考書等の投資は惜しまないことに。合格すれば会社からもそれなりの補助が出る
  • 線形代数とマルコフ過程は捨てる(食わず嫌い)

 

対策・勉強

  • 9月初旬から開始(遅かったかも…)
  • 公式サイトの合格体験記を繰り返し読んで分析した(みなさん優秀すぎ)
  • 現在の自分と合格レベルの距離を測るため、まず2021年の過去問を解いた(全然解けなかった…)
  • すうがくぶんか社の統計検定1級講座を受講した(投資は惜しまない、エキスパートの力を借りる)
  • 竹村本、久保川本は自分には難しく感じたため、マセマと明快演習・数理統計(小寺本)を中心に学習した
  • YouTubeの統計検定1級を見据えた講座を繰り返し視聴した。1つのテーマが10分前後にまとまっており勉強しやすかった
  • 過去問5年分(2016年~2021年)を実際に手を動かして2周した。特に重要と感じた問題は3周した(ただし、行列演算が必要なものなどスキップした問題もある)
  • 試験範囲を確認して、理解が足りない部分・キーワードを公式の統計学実践ワークブックで勉強した(例えば、モーメント法、デルタ法、ベイズなど)

 

受験結果

  • 統計数理
    15分ほど悩みに悩んで、問1(包除原理)、問3(ポアソン分布・ガンマ分布・負の二項分布)、問5(分散分析)を選択。
    自己採点では、5割ほどの得点

  • 医薬生物学
    10分ほど悩んで、問1(生存時間)、問4(ベイズ)、問5(平均への回帰)を選択。
    自己採点では、5割ほどの得点

 

感想

  • 略解を見ると簡単だったのかもしれないが、着実な理解・基礎力を試される問題で個人的には難しかった
  • 過去問も含めて統計への理解が深まる良問が多いと感じた。勉強していて楽しかった(しかし、公式本の解答は、あっさりしていて理解に1日以上かかる問題もあった)
  • ベイズ、平均の回帰、分散分析は、業務でもよく目にするテーマであるが、理解を中途半端にしていたため、今回解ききれなかったのは悔やまれる
  • 医薬生物学は、ホットトピックが採用されてくる印象がある(生存時間のRMSTとかガイドラインの改正があった生物学的同等性試験とか)

 

来年に向けて

  • ある程度、基礎は身についたので、久保川本・竹村本レベルの数理統計学の教科書をどちらか演習も含めて通読しておきたい(過去問を追っていくと最終的には上記の2冊に詳しい解説が見つかって納得することが多々あった)
  • 試験範囲がとにかく広いので、統計学実践ワークブックも2, 3週しておきたい
  • 計算は手を動かして繰り返し練習する
  • 電卓の正しい使い方も一度腰を据えて勉強しておきたい

 

おわりに

「学問に王道なし」を実感したというのが正直なところです。自分のレベルにあった教材を選択し、しっかり時間をかけて理解し、繰り返し演習を行う、これに尽きるかなと。